宇宙観光企画が選ぶ!2005年の宇宙旅行7大ニュース!

2005年も大詰め。今年は宇宙旅行ビジネスが急激に動き出した年だった。

宇宙観光企画が活動を開始した2004年5月当時は宇宙旅行関連のニュースがあまりなく、更新も滞りがちで苦労した時期だったが、今年はうって変わってすべてのニュースを記事にすることをあきらめなければいけないほどだった。後半になるにしたがってその傾向は強くなっていったように思う。

そんな2005年のニュースの中から宇宙観光企画が重要と思われるニュースをランキングしてみることにした。宇宙観光企画としては初めての試みだ。

題して「宇宙観光企画が選ぶ!2005年の宇宙旅行7大ニュース!」

本当は10大にしたかったのだが、ニュースをひとつずつに分けるとどうも多くなりすぎてしまうため、2005年の主な動きとして複数のニュースをまとめることで7大ニュースとした。

さて、その結果は?いきなり1位からどうぞ。

☆1位☆
■筆者、宇宙旅行を予約

「宇宙観光企画が選ぶ」2005年最大のニュースといえば、なんといってもコレ。なんといわれてもコレ。

ところで、「なぜ予約しようと思ったのか」と聞かれることも多いが、その理由として、自分の中ではごく純粋な憧れから来たものと、純粋なビジネス的興味から来たものがある。自分の趣味・夢と実益を兼ねられそうに思えたのだ。
前者の意味では、宇宙に行くということで自分の考えやものの見方がどう変わるかを知りたいということもある。例えば「世界はひとつ」と口では言っても「国」の感覚は大きい。しかし考えてみると日本の中にも昔は多くの「国」が存在した。その後、世界を知ることでその「国」は単なる「地方」となり、日本は感覚としてひとつの国になった。これと同じ感覚の変化が、宇宙から地球を見ることでも起こるのではないかと思っている。サブオービタルではまだ高度が足りないかもしれないが、青い地球と黒い空というこれまでにない体験をする人が増え、地球がひとつの星であることを「知識」ではなく「実感」する人が増えたとき、世界は少しずつ変わっていくと思うのだ。

そしてビジネス的興味の意味では実際に予約して顧客となることで見えるニーズがあるのではないかという考えがあった。また実際そうであった。
今の宇宙旅行ビジネスは技術先行の感が強いが、今後おのずと本当の意味での顧客志向の考えが必要になってくる。現在ある宇宙旅行会社の中ではヴァージングループのサービスノウハウを活用できるヴァージン・ギャラクティックが強い分野かとは思うが、新しいジャンルのサービスはこれまでのノウハウが通じない部分も多いし、そもそも、まだ宇宙旅行顧客の声が十分に集められていない現状がある。自分も顧客としての感覚を大事にしていきたいと思う。

宇宙旅行、予約しました!(8月)

☆2位☆
■宇宙関連イベント続々開催

普段は宇宙関連イベントについてあまり聞くことのないと思うが、探してみると大小結構な数のイベントが行われていることに気づく。
そんな2005年のイベントからひとつ選ぶとすれば、なにをおいてもX PRIZE CUP(Xプライズカップ)だろう。私もX PRIZE CUPには1年以上前から行くとを決めて、その日を待っていた。(英語の準備は間に合わなかったが…)現地では宇宙旅行ビジネスの最先端の温度を感じることができ、多くの方にお会いすることができた。新しいことが始まる前の期待感と不安感が混ざったこの感じは、今だからこそ感じることができる貴重なものだ。とはいえ、この熱はまだ一部のものでしかないことを冷静にとらえなければならない。

例えば、ホリエモンの宇宙旅行ビジネス参入は宇宙旅行に興味を持つものには大きなニュースとして知られているが、正直なところ、一般的には興味が集まらず、当時の他の話題にかき消されてしまった感がある。宇宙旅行ビジネスが実現に向かう一方、一般への浸透はまだまだの状況が続いている。この温度差を埋める施策が2006年には必要だ。

財団法人日本航空協会「宇宙旅行シンポジウム」 開催(3月)(外部リンク)
Countdown to X PRIZE CUP開催(10月)
○第56回国際宇宙会議福岡大会開催(10月)
この10月は第56回国際宇宙会議福岡大会へ!(行ける人は!)
○宇宙開発フォーラム(9月)
みんなで考えよ!9/18,19宇宙開発フォーラム@日本科学未来館
宇宙開発フォーラム(1日目)に行ってきました!
宇宙開発フォーラム(2日目)に行ってきました!

☆3位☆
■日本でも宇宙旅行の取り扱いが本格化

以前から日本でも宇宙旅行の予約は可能だったが、その扱いは小さく、あまり知られてはいなかった。そんな状況を打破すべく、国内の旅行代理店からスペースアドベンチャーズに移り、日本事務所を立ち上げたのが現日本事務所ゼネラルマネジャーの横山さんだ。このあたりの経緯は2005年12月に放映された番組「ガイアの夜明け」でもとりあげられている。ヴァージン・ギャラクティック社もクラブ・ツーリズムで取り扱いを開始するなど、2005年は、宇宙旅行が日本においてやっと「旅行」というカテゴリーで認められた年だった。

スペースアドベンチャーズが日本事務所を開設(5月)
○クラブツーリズムがヴァージン・ギャラクティックと提携、宇宙旅行取り扱い開始(5月)
ヴァージン・ギャラクティック社、2008年発宇宙旅行の日本国内枠1名を29日に抽選。
ヴ社の宇宙旅行日本国内向け枠2008年初最初の1名が決まる
○JTBがスペースアドベンチャーズと提携し、宇宙旅行取り扱い開始(8月)
JTBがSpaceAdventures社と宇宙旅行分野で業務提携
[Podcasting]SpaceAdventures社CEOによる宇宙旅行プログラムの説明(23分10秒)

☆4位☆
■宇宙旅行に行った人、行く人。

筆者が宇宙旅行を予約したことを周りの人に話すとこれまでよりも宇宙旅行というものを身近に感じるようになったという人が多い。宇宙旅行がメディアなどでとりあげられることも認知度向上には重要だが、身近に感じるためにはやはり人づての力にはかなわない。口コミが最強といわれるゆえんだ。
2005年、3年ぶりに史上3人目の宇宙旅行者グレッグ・オルセン氏が宇宙に行った。今年行った人は1人だけだが、2006年はとうとう日本で初めてDice-K(榎本大輔氏)が宇宙旅行に行く。その他にも宇宙に行く予定のある人が日本国内でも(以前よりは)目立ってきた。

口コミに期待するにはまだまだ少ないが、少しでも宇宙旅行を身近に感じる人が増えれば宇宙旅行は本当に身近なものになっていく。宇宙旅行に行く予定のある人はどんどん周りに話してもらいたい。(ただし、変な人扱いされるリスクも相当に高いが…)

辞令 宇宙飛行を命ず(6月)
○ヴ社の宇宙旅行日本国内向け枠2008年初最初の1名が決まる(7月)
ヴァージン・ギャラクティック社、2008年発宇宙旅行の日本国内枠1名を29日に抽選。
ヴ社の宇宙旅行日本国内向け枠2008年初最初の1名が決まる
グレッグ・オルセン氏が世界で3人目の宇宙旅行者に(10月)
○Dice-K(榎本大輔氏)、2006年10月に世界で4人目の宇宙旅行へ(11月)
Dice-K(榎本大輔氏)の宇宙旅行計画が正式発表☆2006年秋出発予定。
Dice-K(榎本大輔氏)とパトリック・コリンズ教授の対談記事!
Dice-K(榎本大輔氏)がテレビ初登場!らしい。

☆5位☆
■宇宙旅行の選択肢広がる

2005年前半まで、「宇宙旅行」というとほぼ2種類しかなかった。地上100kmの宇宙に行って帰ってくるサブオービタル宇宙旅行と、地上400kmの国際宇宙ステーション(ISS)に1週間滞在するオービタル宇宙旅行だ。しかもこの2種類の価格差は約100~200倍とあまりにも広く、宇宙旅行のバリエーションとして見るとまったくスカスカの状態だった。この状態はほぼ宇宙旅行という商品ができてからずっと続いていた。
2005年はそんな宇宙旅行のバリエーションに、いってみれば初めてのラインナップ拡充が行われた年だった。しかし今はまだまだ宇宙旅行の骨組みが用意されたに過ぎない。これらをベースに様々なツアーオプションが提案されることによって、「行くだけ」ではない本当に魅力的な宇宙旅行となっていくに違いない。

○宇宙旅行はとうとう月まで。スペースアドベンチャーズ社「月周回宇宙旅行」を受付開始(8月)
準軌道飛行10万ドル。ISS滞在2000万ドル。月周回飛行は?
「月の旅はJTBまで」9/6産経新聞4面に全面広告掲載
○ホリエモンが個人プロジェクトで宇宙旅行ビジネスに参入表明(10月)
新たなオービタル宇宙旅行の選択肢を提供
ライブドア堀江社長、とうとう宇宙に本腰!?
ホリエモンの宇宙旅行事業、発表迫る。
ホリエモンの宇宙旅行事業、発表。
宇宙旅行に早くも価格破壊の時代が到来!?5万ドルで宇宙へ!(11月)

☆6位☆
■新たな宇宙ビジネスの萌芽

宇宙ビジネスは宇宙旅行ばかりではない。とはいえ、宇宙ビジネスが宇宙旅行の実現によってさらに大きく成長していくであろうことは確かだ。宇宙ビジネスをサポートするJAXAの「オープンラボ」の活動などもあり、様々な宇宙ビジネスが計画された1年だった。宇宙旅行に使われる宇宙機の開発はすでに今から新規参入するにはリスクが高すぎるかもしれないが、その周辺にはまだ膨大なビジネスチャンスが存在している(と、思う。)宇宙旅行というこれまで存在しなかった体験の周りでどういったニーズが出てくるか、完全に想定することは難しい。だからこそ考える価値があるともいえる。宇宙旅行時だけでなく、普段のライフスタイルに宇宙旅行という体験が与える影響も考えられるだろう。

2006年は宇宙機以外の宇宙旅行関連ビジネスにも注目が集まる年になりそうだ。

スペースクチュールコンテスト募集開始(10月)(外部リンク)
○宇宙酒の元となる酵母が宇宙へ(10月)
宇宙料理の一形態?「宇宙酒」開発中!
宇宙酒の酵母、「帰高」!
○宇宙CM第2弾「日清カップヌードル」でNO BORDER(11月)
宇宙でCM撮影、1本1億円は高いか安いか。
宇宙で撮影されたCMといえば・・・?
宇宙チラシ、宇宙紙ふぶき、宇宙尋ね人、・・・(11月)
特定非営利活動法人(NPO法人)の北海道宇宙科学技術創成センターがロケットプレーン社と技術協力(11月)
○ガイアの夜明け(12月)
宇宙旅行の夜明けも近い!?「ガイアの夜明け」来週は宇宙旅行ビジネス!
今日はガイアの夜明けで宇宙旅行の夜明けを感じる日

参考:
宇宙の郷土料理「火星料理」は日本風?
「宇宙料理」が食べたい!(「2010年宇宙の旅アンケート」の結果を受けて)
宇宙旅行のおみやげは・・・?

☆7位☆
■宇宙旅行の賞品採用本格化の兆し!?

クイズ番組や懸賞の定番賞品といえば「旅行」。海外旅行が憧れだった時代にはウィスキーメーカーによる「トリスを飲んでハワイに行こう」なんてキャンペーンもあった。宇宙旅行もそういった「憧れ」の象徴としてとりあげられつつある。宇宙旅行の認知はまずこうしたところから進んでいくのだろう。

ところで、こうした場合に対象となるのは現在1000万円から2000万円相当のサブオービタル(準軌道)宇宙旅行が中心。早ければ2007年から始まるサブオービタル宇宙旅行、2006年はいよいよ本格的にその存在が認知されていくかもしれない。

夢で終わらせない!?松坂屋の「初夢旅企画」で宇宙旅行へ(12月)
ヴァージン・アトランティック航空のマイレージプログラムに宇宙旅行登場!(12月)
スペースアドベンチャーズ社CEOの宇宙ガイドブック(10月)
宇宙旅行が当たる懸賞付き!ただし米国内のみ。
ファンタスティックに宇宙(?)旅行へ!(宇宙ではないけど…)(9月)

次点:

宇宙旅行関連ニュースを対象にしているので対象とならなかったが、今年は野口宇宙飛行士の活躍や中国の有人宇宙飛行などもあり、日本でも宇宙への注目が高まった年であった。その他、アメリカでの月計画具体化やISSへの輸送に関する民間活用計画、日本でのJAXAオープンラボの動きなど、「自分が宇宙に行く」という興味範囲を越えて宇宙がビジネスの場としても広がりつつある。

11月米ISSへの輸送に民間活用計画

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