イーロン・マスク氏がスペースXの倒産リスクについて言及したとのこと。
マスク氏、スペースX「倒産リスク」否定せず-宇宙船エンジン開発で
米スペースXのイーロン・マスク 最高経営責任者(CEO)は11月30日のツイッターで、深刻な世界的リセッション(景気後退)が起きた場合、同社が破綻する可能性は低いが、あり得ないというわけではないとの認識を示した。
ただ、落ち着いて考えてみれば企業規模に関わらず、そりゃ課題はあるだろうし、程度の差はあれど倒産リスクは常にあるよなぁ、とは思う。スペースXもファルコン1ロケットでの軌道投入は3回の失敗を経て4回目(2008年9月)にようやく成功。その時も(同年の離婚の影響もあり)破綻寸前だった。
こと宇宙ベンチャーの話題は「宇宙」という響きもあって華やかな話題も多いが、人知れず消えていく企業も多い。世界初の民間宇宙機「スペースシップ・ワン」を生み出すきっかけとなった賞金レース「Ansari X Prize(アンサリXプライズ)」には世界から26ものチームが参加したが、今も残っているチームは知る限り無い。(もっとも、賞金レース期間限定のチームも多かった)
Ansari X Prize - Wikipedia
消えてしまう宇宙ベンチャーの多くはいつのまにか聞かなくなってしまったケースが大半だが、中には多額の投資を集めていたことで破綻時にも目立つ宇宙ベンチャーも出てきている。
110億円調達の米国ロケットベンチャー企業Vector Launchの破産はナゼ?|ina111 / 稲川貴大
2019年12月Vector Launch Inc.という超小型ロケットを開発する米国のスタートアップ企業が破産した。 正確には米連邦破産法の第11条なので再建型な手続きであり、事業再開する可能性はある。同社は2016年創業で、crunch...
Vector Launchは当初から危うかったので「やはり」という印象だったが、破綻・休止した宇宙ベンチャーにはXCOR AerospaceやArmadillo Aerospaceのように技術的にも評価され、注目を集めていたような企業もあった。
というわけで、今回のイーロン・マスク氏の発言もさほど気にすることではない、と思う。
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