ヴァージン・ギャラクティックのリチャード・ブランソン氏、ジェフ・ベゾス氏よりも先に「宇宙」へ行くことを目指す

宇宙ビジネス

ブルー・オリジンのジェフ・ベゾス氏もニュー・シェパードの初有人フライトで宇宙へ!

ジェフ・ベゾス氏が2021年7月20日に自身の宇宙ベンチャー「ブルー・オリジン」の宇宙機「ニュー・シェパード」で宇宙飛行を行うことを発表したことがニュースになってますね。

ジェフ・ベゾス氏、宇宙へ 自社開発の有人宇宙船に搭乗
米アマゾン・ドット・コム最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏(57)は7日、自らが創業した宇宙開発企業ブルーオリジン初の有人宇宙船「ニューシェパード」に搭乗して宇宙旅行に出発する計画を発表した。

このニュー・シェパード初フライトについては搭乗権のチャリティオークションも話題です。現在(6/9 0:00)、350万ドル(約3億8000万円)の値がつけられていて、6/12にはライブオークションで落札者が決定する予定です。ジェフ・ベゾス氏はこのオークションの落札者と共に宇宙に行くことになります。

そして、ジェフ・ベゾス氏の宇宙飛行は同社の初フライトであるだけでなく、別の意味でも記念すべきフライトとなる可能性があります。この点は上記のCNNの記事でも以下のように記されています。

計画通りにいけば、世界一の富豪のベゾス氏は、宇宙進出を競う世界の富豪に先駆けて自身の宇宙旅行を実現することになる。ロケット開発を成功させたスペースX創業者のイーロン・マスク氏さえも、まだ自身の宇宙旅行計画は発表していない。ヴァージン・ギャラクティックを経営する英富豪リチャード・ブランソン氏は以前から、同社が開発した宇宙旅客船に真っ先に搭乗したい意向を示しているが、出発は今年後半になる見通し。

そう、戦うフィールドは少し違えど、宇宙ビジネス業界を牽引するリーダーの先陣を切って、ジェフ・ベゾス氏は初めて自ら宇宙に到達することになるのです。

リチャード・ブランソン氏がジェフ・ベゾス氏よりも早い宇宙飛行を計画中?

・・・が、そうなると黙っていないのがヴァージン・ギャラクティックを要するヴァージン・グループの総帥、リチャード・ブランソン氏です。記事にあるようにかねてから初期のフライトに搭乗することを公言していたにも関わらず先を越されるのは我慢なりません(たぶん)。やはり、こんな話が出てきました。

http://www.parabolicarc.com/2021/06/07/virgin-galactics-richard-branson-aims-to-fly-to-space-before-jeff-bezos/

Virgin Galactic is working on a plan to send Branson on a suborbital flight aboard the VSS Unity SpaceShipTwo rocket plane over the July 4 holiday weekend, according to a source who requested anonymity. 

「関係者が匿名を条件に語ったところによると、ヴァージン・ギャラクティック社は、リチャード・ブランソン氏を7月4日の週末に同社の宇宙機(VSS Unity SpaceShipTwo)で同氏をサブオービタル宇宙旅行に送り出す計画を進めているという。」

7月4日といえばアメリカ独立記念日。ジェフ・ベゾス氏のニュー・シェパードがアポロ11号の月面着陸記念日である7月20日の打ち上げを予定している中、それよりも前のメモリアルデーにうまくひっかけてきました。さすがです。

リチャード・ブランソン氏の宇宙飛行、その信憑性は?

とはいえ、そんな急に準備ができるのか訝しがる向きも少なくありません。しかし、その決意は固いとする意見もあります。

「彼らはかなりの決意を持っているようだ。ブランソンの最新の自叙伝は読んだ?75の臨死体験が付録として載っているんだよ 彼は自分のリスクを取ることに誇りを持っています。ヴァージンは、すべての準備が整うまで飛ぶことはないと言っています。それが本当で、次のフライトを急がせないことを願っています。」

ヴァージン・ギャラクティックによるこれまでの話題作りのうまさ(となかなか公言通りに進まない状況)から考えると今回も話題どまりかな、という印象です。ただ、リチャード・ブランソン氏はジェフ・ベゾス氏にはない、「冒険家」という肩書を持っている点が、なかなか安心できない点ではあります。

もしリチャード・ブランソン氏が先に飛んだら?

仮にリチャード・ブランソン氏が先に飛んだ場合、初めて「宇宙」へいった宇宙ベンチャーのリーダーは同氏になるのでしょうか。これについては少し議論がありそうです。

宇宙は一般的に「高度100km以上」といわれますが、実は明確に共通の基準は定まっておらず、米空軍などは「高度80km以上」を宇宙としています。ヴァージン・ギャラクティックの宇宙機スペースシップ・ツーは性能上90kmほどまでしか上がれないため、同社は計画当初の宇宙の定義を変更し、現在は「高度80km以上」を採用しています。

一方でブルー・オリジンの宇宙機ニュー・シェパードは高度100kmを越えて飛行します。もし、リチャード・ブランソン氏が飛び「先に宇宙に行った」と宣言した場合、ジェフ・ベゾス氏はこの宇宙の定義のあいまいさを指摘し、「先に『真の』宇宙に行ったのは自分だ」とアピールするかもしれません。もちろん、自身はまだ宇宙に行っていないとはいえ既にその先まで宇宙機を飛ばしているスペースXのイーロン・マスク氏が絡んでくることを警戒し、ここまであからさまなアピールはしないと思いますが・・・。

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