【個展レポ】「宇宙」と「日常」が交錯する場所。「宇宙飛行士の日常」さんの個展『ラグランジュ・ポイント』

イベント

(日がかなり空いてしまいましたが…)2025年10月10~12日、清澄白河のGALLERY KLYUCHで開催されていた、「宇宙飛行士の日常」さんの個展『ラグランジュ・ポイント』に行ってきました。

「宇宙飛行士の日常」さんは主に関西方面で活動されている方なので、関東勢としてはなかなかお会いすることができませんでした。数年前に日本橋で開催された「NIHONBASHI SPACE WEEK 2022」でニアミスしたことはあったのですが、これまで直接お会いするタイミングがなく……。

そして今回も同期間に予定があり、一時は諦めかけましたが、幸運にも予定が早めに終わったため、最終日になんとか滑り込みで伺うことができました。今回はその訪問レポートをお届けします。

「SPACE(宇宙)」と「SPACE(空間)」の意図的な曖昧さ

会場は清澄白河駅から少し歩いた場所にあるギャラリーの2階。 中に入ると、自作したという宇宙服のレプリカや写真作品が並び、ご本人も在廊されていて作品のコンセプトについてなど、改めて詳しく伺うことができました。

実は僕は宇宙飛行士の日常さんの作品を観たとき、最初は「日常の風景に宇宙飛行士がいる」という、シュールさや面白さを狙った作品なのかと思っていたのですが、コンセプトはもっと奥深いものです。

「宇宙のSPACE」と「生活空間のSPACE」

この2つを繋げて見ることで、宇宙と日常、あるいは社会との境界を意図的に曖昧にし、見る人の感覚に揺らぎを与えることを狙っているそうです。 展示されている写真は、1984年にブルース・マッカンドレス宇宙飛行士が世界で初めて命綱なしの船外活動を実施した際の有名な写真(以下)のアングルを元に構成されているとのことで、背景にある意図を知ることでより深く作品を楽しむことができました。

NASA, Public domain, via Wikimedia Commons

逆境から生まれた「宇宙飛行士」

訪問後にX(旧Twitter)の投稿でも触れられていますが、「宇宙飛行士の日常」さんがこの活動を始めた経緯には、壮絶なドラマがありました。

なんと自宅が火事で全焼してしまったそうなのです。 その際、唯一焼け残ったのが宇宙服だったとのこと。その残された宇宙服を使い、ご友人の協力のもとで始まったのが、この一連の活動だそうです。

家を失った状態で、残されたものを活かして発信し、これだけの行動力で活動を続けていること。「すごい」の一言に尽きます。

宇宙開発への想いと共鳴

「宇宙飛行士の日常」さんは、この活動を通じて宇宙開発を応援するという目的もあるとのことで、その想いは、僕が個人的に行っている宇宙関連の活動とも重なる部分が多く、勝手ながら強いシンパシーを感じました。

僕も多くの人に宇宙のことを考える時間を持ってもらうために「宇宙の香り」がするフレーバーティーを作ったり、趣味の宇宙開発団体を立ち上げたり、関係するNPO法人が主催するイベントなどを通じて、多くの人に宇宙開発へ目を向けてもらいたいという気持ちで活動しています。

今回の個展は、ただ作品を見るだけでなく、そうした気持ちの部分でも強く共感できた展示でした。 今後も「宇宙飛行士の日常」さんの活動に注目していきたいと思います。

写真集を購入しました。ちなみにこの「月」は静岡県浜松市にあります。
宇宙飛行士の日常

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