Axiom Space(アクシオン・スペース/アクシオム・スペース/アクシアム・スペース)は商業宇宙ステーションの実現を目指しています。これに先駆け、2021年第4四半期に初ミッションとして、まずは国際宇宙ステーション(ISS)に向けて同社の宇宙飛行士1名と顧客3名の計4名をスペースXの有人宇宙機クルードラゴンで輸送することを先日発表しました。
以下は宇宙ビジネスコンサルタントの大貫美鈴さんによるツイート。
この件についての報道は以下記事などがあります。
2020年10月13日に開催された国際宇宙会議(IAC)でのパネルディスカッションの中で、Axiom Spaceの社長兼最高経営責任者(CEO)であるMichael Suffredini氏は、同社が2021年の第4四半期に予定しているスペースXの有人宇宙機クルードラゴンを使った国際宇宙ステーション(ISS)へのAxiom Space初ミッションの顧客3名を決定したと述べました。この3名を特定する情報はまだ発表されていませんが、その時期的な近さから同時期に宇宙で映画撮影をすると発表している俳優トム・クルーズ氏の名前が噂されています。同社はこれに対して「否定も肯定もできない」としています。
実現間近に思えるAxiom Spaceの初ミッションですが、注意も必要です。同社は顧客やNASAとの契約について「about to finish(終えようとしているところ)」「“just about done”(ほぼ終えている)」としている通り、発表時点ではまだ手続きが完了していないとみられます。もっとも同時に「2020年10月までにはすべての準備が整う」とも語っているので、確度は高そうです。
繰り返し利用期間が延長されている国際宇宙ステーション(ISS)ですが、いつかは退役する時が来ます。Axiom Spaceは2024年に同社のモジュールをISSに接続することを目指しており、現在2028年から2030年と予測されているISSの退役後はこれがISSから切り離され、商業宇宙ステーションの一部となる計画です。
ところで民間の商業宇宙ステーションといえばロバート・ビゲロー氏によるビゲロー・エアロスペースが有名ですが、こちらは現在活動ができていません。2021年末のNASAとの計画も元はビゲロー・エアロスペースが進めていましたが、これを辞退。そこにAxiom Spaceがおさまった格好です。
ビゲロー・エアロスペースはすでに実験機をISSに接続するなど有力プレイヤーのひとつとみられていただけにこうした状況は残念です。事業を停止したわけではないようなので、実績をもとに今後の復活を期待したいところです。
コメント