そっちのでもないあっちのでもない宇宙服って!?

「宇宙服」と聞いて、まず普通は宇宙遊泳や月面着陸で使うような、あのごっつい機能的な宇宙服を思い浮かべるだろう。そして、このサイトを見ている人や、ちょっと宇宙関連の話題を知っている人なら、11月はじめに発表が行われた「スペース・クチュール・デザインコンテスト」の受賞作品のようなファッション性に重点をおいた宇宙服を思い浮かべるかもしれない。

しかし、今回紹介する宇宙服はそのどちらでもない。いわば、その中間に位置する宇宙服だ。

ファッション界最後の砦? 宇宙旅行

この宇宙服は安全かつSF的ファッショナブルさをあわせ持っている。高度約152.4キロ(50万フィート)で生命を30分間維持する機能があるというからなかなかだ。「宇宙」は高度100km以上とされているから、150kmで生存可能なこの服はあらゆる定義から見ても文句なしの「宇宙服」といえるだろう。完成は2007年を目指し、リース代は一着3,000~6,000ドル(約35万~70万円)と推定されている。

「ん?リース?」と思った方もいるかもしれない。そう、今のところはリースを中心に考えているらしい。それはそうだろう。1年に何回か使うならまだしも、「当面」は一生に1回使うかどうかの「衣装」だ。その意味ではこの宇宙服を「お買い上げ」することは、成人式の振袖やウェディングドレスを買うことよりも機会のレアさからいってそれこそレアになるのだろう。

と思ってはたと気づく。

機会がレアなんだったら、逆に「宇宙に行った記念に」といって買う人もたくさん出てくるんじゃないだろうか。振袖やドレスは個人にとってはレアなイベントで使ったものでも身の回りでレアじゃないからモノとしての価値は高くない。でも、個人だけでなく身の回りの機会としてレアであればモノとしても十分(話のタネという面も含めて)価値があるという見方ができる。機会が少ないからリースという考え方もあるが、「メニューは一番下よりひとつ上を選ぶ」という心理からも、むしろリースは松竹梅の「梅」の位置づけとし、「竹」や「梅」である宇宙服を売る、という線もアリなのかもしれない。

ところで、この宇宙服を提供するOrbital Outfitters社の代表、リック・タムリンソン氏にはこれまでも昨年のX PRIZE CUPでお会いして以降、5月の国際宇宙開発会議、10月のX PRIZE CUPの度にお会いしては興味深い話を聞かせていただいていた。この宇宙服の話もその中で聞いていたお話の中のひとつだ。

少し前までは構想で終わっていたかもしれない事業が次々と形になっていく。そんな業界の黎明期に再び出会えたことは自分にとっても特別にレアな経験になるだろう。
その記念に自分は何を残せるのか、動きながら考えていきたい。なんちて。

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