(via Clyde Space)
わずか10センチ角の大きさの超小型衛星、CubeSat(キューブサット)は大学やアマチュア団体が教育や技術実証などの目的で打ち上げていることでも知られていますが、アメリカのベンチャー企業Outernetはキューブサットを使って宇宙からのWebコンテンツ配信を計画しています。2016年初めに3機のキューブサットを打ち上げる予定とのこと。
■Outernetは宇宙からインターネットへのアクセシビリティ向上を図る
■Clyde Space wins £1m Outernet contract
人工衛星を使ってインターネットを使える地域と人をさらに増やそうという計画はグーグルとスペースXが取り組んでいるものなどがあります。しかし、これに使われる衛星は従来の同等機能を持つものより小さいとはいえ100kgをゆうに超えるもので、数も数百以上必要とされています。双方向通信が可能なインターネット接続を実現しようとしたらキューブサット3つではとても足りません。そこでOuternetは双方向ではなく、一方通行かつ非リアルタイムで情報をWebコンテンツとして伝えることを目的としています。キューブサットからは取捨選択された伝えるべき情報が発信され、地上の受信デバイスがこれを保存。そして情報を必要とする人がデバイスにWiFiなどでアクセスして情報を閲覧していく、というものです。
これなら数が少なくたまにしか上空を通らない衛星でも実現できます。双方向のインターネットとはまた異なる形で、情報を流通させようという試みです。確かに音声だけのラジオよりも多くの情報を分かりやすく、早く伝えることができそうです。また、インターネットへのアクセスが制限されている地域でも受信だけなら監視されにくいという特徴もあります。
キューブサットの想像図をみるとキューブサットとしてはかなりの豪華仕様ですが、このサイズでできることが広がるのはとても楽しみです。
ところで、昨年秋から「普通の人」による人工衛星打ち上げを目指す「リーマンサット・プロジェクト」を有志で始めました。
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