宇宙旅行の種類というと、現在はヴァージン・ギャラクティックのような高度100kmに数分間滞在して戻ってくるサブオービタル宇宙旅行と、国際宇宙ステーションに1週間ほど滞在するオービタル宇宙旅行が知られています。(プランとしては月周回旅行などもありますが)
ここにバルーンによる宇宙旅行(?)が加わることになるかもしれません。
Not all space tourism is rocket science. A newly successful test of a balloon could allow paying human customers to enjoy stunning Earth views and the weightless astronaut experience by 2014.
「宇宙旅行はロケットによるものだけではない。今回新たにテストフライトに成功したバルーンによって、2014年には素晴らしい地球の眺めと無重力体験を顧客に提供することができるようになるだろう」
■Balloon Test Shows Space Tourism on the Horizon
スペインに本拠を置くzero2infinity(ゼロ・トゥ・インフィニティ)は、2012年11月13日、同社のバルーンとドーナツ型のカプセルを使用して人型ロボットを高度32kmまで到達させるこるに成功しました。冒頭の画像はカプセルから見た景色です。
zero2infinityの特徴はその滞空時間の長さです。国際宇宙ステーションの1週間にはかなわないにしても、約2時間ほど最高到達高度(約36km)で過ごすことができます。サブオービタル宇宙旅行の数分間ではその間にできることにあまり選択肢がないのが実情ですが、zero2infinityでは様々なことが可能になります。
“Some people will want to tweet,” said Jose Mariano Lopez-Urdiales, founder and CEO of Zero 2 Infinity. “Some will want to put down a carpet and pray to mecca. Some people will want to eat their favorite buffalo wings while they’re up there.”
CEOのジョゼ・マリアーノ・ロペス・ウルディアレス(Jose Mariano Lopez-Urdiales)氏は上空でのすごし方について「ツイートしたいという人もいるだろう。カーペットを敷いてメッカに向かって祈りを捧げたいという人もいるだろうし、大好きなバッファローウィングを滞在中に食べたいという人もいるだろう。」と語っています。
後者2名は同乗させちゃいけなそうな気がしますが…。
ところで、気になるのはその高度。
まず、バルーン方式だとある程度大気がある高度までしか上がれません。実際、滞在する予定の高度は約36kmだということです。定義上100km以上が宇宙とされているので、かなり足りません。
これについて同氏は以下のように語っています。
“You would spend two hours at the floating altitude of 36 kilometers (22 miles),” Lopez-Urdiales told TechNewsDaily. “We could do it higher, but it would not make any difference, because you already see the same visual cues at 39 kilometers or even 100 kilometers.”
「我々はもっと高い高度まで上げることはできるが、それによる違いはあまりない。なぜなら高度39kmでも高度100kmでも同じような景色を見ることができるからだ。」
確かに定義にこだわらず、黒い空と青い地球を見たいということであれば、これで十分なのかもしれません。代わりに2時間も使える時間があるのであれば、バルーンを選ぶ人も多そうです。
さらにこのプランには無重力体験も付いています。
Getting back down would mean cutting the cord between the balloon and the enclosed passenger capsule. Passengers could experience about 40 to 60 seconds of weightlessness during free fall, before parachutes and a parafoil carried them safely down to Earth.
地上に戻るためにバルーンとカプセルの間のコードを切断し、パラフォイルが開くまで自由落下している間、乗客は40秒から60秒ほど無重力体験ができるそうです。パラフォイルとはパラグライダーなどで使われている、パラシュートのような翼のことで、これで安全に地上に戻ってくる仕組みになっています。
コード切断の瞬間は緊張しそうですね。
さて、気になるお値段はというと最初の支払いで13,000ドル(10,000ユーロ、約110万円弱)。トータルの金額は143,000ドル(110,000ユーロ、約1180万円)となるそうです。
すでに受付中とのことなので、気になる方は問い合わせてみてはどうでしょうか。
以下は今回のテストフライトの搭乗者の人型ロボットです。
なんだかちゃんと作ってあります。
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