大手ECサービスのアマゾンのCEO、ジェフ・ベゾス氏がアポロ11号を打ち上げたサターンVロケットを私費を投じて海底から引き揚げるプロジェクトを計画しているという。これについてはすでにいくつものメディアで報じられている。
■アポロ11号エンジンを大西洋で発見 アマゾンCEO
■海底からアポロ11号のエンジン回収へ、アマゾンCEOが計画
■アマゾンCEOが海底から回収する「アポロ11号のエンジン」
ほか多数。
一方、米航空宇宙局(NASA)からも、ベゾス氏に協力する旨のリリースが出された。
■NASA Administrator Supports Apollo Engine Recovery
ところで、ベゾス氏と宇宙の関係についてはどのニュースを見ても「子供の頃に月面着陸の模様をテレビで見て、その経験が科学や技術、探検への情熱に大きく貢献した」ということくらいしか触れられていない。しかし、実際はもっと深い関係がある。ジェフ・ベゾス氏は自らが立ち上げた民間宇宙開発ベンチャー、ブルー・オリジン社のCEOでもあるのだ。
ブルー・オリジン社の全容はかつて秘密のベールに包まれていたが、最近では少しずつ情報も出始めてきた。昨年(2011年)は高度100kmの宇宙に向けて垂直に飛び立ち、降りてくる垂直離着陸型のサブオービタル宇宙機の2機目の試作機でテストを行っていた。2011年8月のテスト飛行で高度13.7km、速度マッハ1.2まで到達したが、残念ながら機体が不安定となり、安全装置が作動して墜落、機体を失っている。これは同社に撮って今後の貴重なデータとなるだろう。
以下はその機体。
デザイン的に人が乗る場所がないように見えるが、それもそのはず。人間が乗るための機体は別に開発しているのだという。
そして以下はその機体が健在だった2011年始めのテストの模様だ。
ジェフ・ベゾス氏は先頃発売された「日本版WIRED」のインタビュー記事でも宇宙開発について短いながら語っている。また、同じく現在発売されている雑誌「PEN」では民間宇宙開発を含む宇宙特集が組まれている。ブルー・オリジン社を始め、主要な宇宙開発ベンチャーについて解説されているので、それぞれぜひチェックしてみてほしい。
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