高度100kmの宇宙空間に数分間滞在し、黒い空と青い地球と無重力を楽しむことができる「サブオービタル宇宙旅行」は既に宇宙旅行会社数社が予約を受け付けており、全世界で数百人が申し込みを行っている。日本ではJTBが総代理店となっているスペース・アドベンチャーズ社やクラブツーリズムが窓口となっているヴァージン・ギャラクティック社などで、宇宙旅行を申し込むことができる。
宇宙旅行に関する話題では時々どれほど高齢の人が申し込んでいるか、という話がでてくる。そして、70才以上の方も申し込んでいると聞き、少し驚いたりするのが常だ。
しかし、最年少の方はというと、比較的話題にならなかったように思う。かかる費用が1,000万円から2,000万円ほどと一般的にいって高額なため、若いといってもせいぜい20代であり、あまり驚きがないためかもしれない。
では、実際にサブオービタル宇宙旅行に申し込んでいる最年少の人は何才なのだろうか。
答えはなんと17才。
カナダはカルガリーに住む少年らしい、ということ以外はわからない。素性が明らかにされることを彼自身が望んでいないためだ。
ここで、宇宙旅行について少し知っている方は不思議に思われたかもしれない。そう、宇宙旅行には年齢制限がある。上は健康である限り「ない」のが通常だが、下はヴァージンギャラクティック社やスペース・アドベンチャーズ社などでは「18才以上」であることを求めている。
ただ、これは「飛ぶ時点で」ということのようだ。彼の場合、申し込んだ時の年齢は16才、現在17才で、おそらくスムーズにいけば18才で宇宙旅行に行くことになるだろうという。サブオービタル宇宙旅行は発表当時の予定ではすでに実現しているはずだった。サブオービタル宇宙旅行が早期に実現していたら、彼は最初期のサブオービタル宇宙旅行者にはなれなかったはずだ。現在進行形で発生している計画の遅れは彼にとってはちょうどいいものだったのかもしれない。
ちなみにこれまで宇宙に行った最年少は1961年8月に行ったロシアのGherman Titov氏で25才だったという。ガガーリンが宇宙に行った直後のことで、50年間も破られていなかったことになる。しかし、7年くらい余裕があれば、おそらく最年少記録更新は問題ないだろう、と信じたい(サブオービタル宇宙旅行の実現時期的な意味で)。
The Space Today website says Russian cosmonaut Gherman Titov was the youngest person ever to go to orbit. He flew in August 1961 at the age of 25.
■Calgary Teen Space Tourist: 17 Year Old Could Be Youngest Booked On Virgin Galactic Spaceship
カナダでヴァージン・ギャラクティック社に申し込んでいる人は23人(男性17人女性6人)だそうだ。記事中ではそのうちの一人のLinkedInプロフィールへのリンクがあった。
確か日本人よりも多い、はず。
それはそうとカルガリーの彼が18才で宇宙に行けば宇宙旅行の年齢制限が緩和されない限り、しばらくは記録更新されることはないと思われる。しかし、18才未満はダメというルール自体も特に確固とした生物学的な裏付けなどはない。きちんと体を固定する必要のある座席のサイズなどの問題もあると聞いた。運用が安定してくれば、徐々に緩和されていくのではないだろうか。
ゆくゆくは記録が気にされなくなるくらい宇宙旅行が一般化してほしい。
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