宇宙への出発点となるスペースポート(宇宙港)。国がロケットを打ち上げる場所としては日本ではH-IIAロケットなどが飛び立つ種子島宇宙センターやアメリカではスペースシャトルが飛び立つケネディ宇宙センターあたりが有名だ。
では、民間宇宙旅行もここから出発するかというと(将来的にないとはいえないかもしれないが、)そうではない。今日はそんな宇宙への玄関となるスペースポートをいくつかご紹介する。
まず、アメリカではカリフォルニア州のMojave Spaceport が以前からスペースポートとして名前が挙げられるもののひとつになっている。そして、その場所から民間宇宙機が宇宙へ行った実績を唯一持つスペースポートでもある。(もっとも民間宇宙機が宇宙に行ったこと自体、一例しかないのだが・・・)宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティック社も当初はMojave Spaceportを利用する予定だった。
・・が、昨年ヴァージンギャラクティック社は活動の中心をニューメキシコ州に置き、新たにスペースポートを建設する計画を発表したことで、Mojave Spaceportはすでに歴史の地となってしまう可能性が高い。
そして、ヴァージン・ギャラクティック社が中心となって進めているのがニューメキシコ州のSouthwest Regional Spaceportだ。完成はちょっと先の2009年から2010年の予定。
すでにできているスペースポートでは、ロケットプレーン社のホームスペースポートであるオクラホマ州のOklahoma Spaceportがある。ところで、少し前にロケットプレーン社のサイトがリニューアルし、日本語資料も読めるようになった。オフィシャルサイトで日本語による情報提供を行っているのはスペースアドベンチャーズ社、ヴァージン・ギャラクティック社とこのロケットプレーン社くらい。貴重な存在だ。
また、Amazon.comの創業者ジェフ・ベゾス氏のブルー・オリジン社はワシントン州ケントに拠点を建設する予定らしい。ここは何しろ謎に包まれており、いまだに全貌が見えてこない。
アメリカ以外に目を向けるとカザフスタン共和国内にあるバイコヌール宇宙基地がある。ロシアの「ソユーズ」が打ち上げられる場所であるここは、もちろん国主導のミッションが利用の中心ではあるが、同時にソユーズは「宇宙旅行者」を宇宙に乗せていった実績のある唯一の機体でもある。サブオービタル宇宙旅行が実現しても、宇宙ステーションへのオービタル宇宙旅行や月周回旅行の出発地点として当面の間使われ続けていくにちがいない。
日本国内でも北海道大樹町の滑走路の利用可能性が研究されており、日本国内から宇宙にいけるかもしれない。地上100kmのサブオービタル宇宙旅行だと、ちょうど北海道が一望できるそうで、地上の景色としては日本人にとって面白いものになるだろう。
ところで、宇宙旅行の値段には一般的にスペースポートまでの交通費は含まれていない。もっとも、1千万円以上という現在の価格では地上の移動費用はさほど大きな割合ではないのかもしれない。
しかし、中長期的に宇宙旅行自体が安くなってくることを考えると、交通費の追加負担は次第に無視できないものになってくる。
そんなとき、どういったプランを選択肢として顧客に提示できるか。それもまた宇宙旅行会社にとって、選ばれるためのひとつの要素になってくる。
たぶん計画段階のものはまだまだあるはず。自分ならどこから行って何を見たいか、具体的に考えておくといざというときに迷わないで済みそうだ。
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