宇宙旅行産業にとって大きな節目となるイベントがアメリカ・ニューメキシコ州にていよいよ開催される。
今週はX PRIZE CUPウィークということで、多くのイベントが開かれる予定だ。
そして、そのクライマックスを飾るのが10/9(日)にニューメキシコ州ラスクルーセスのラスクルーセス国際空港で開催される「Countdown to the X PRIZE CUP」だ。なぜ「カウントダウン」なのかというと、今回のX PRIZE CUPは宇宙船の打上などは行われないプレ開催の位置づけだからだ。いわば本格的な宇宙旅行産業の幕開けを祝う前夜祭といったところ。
先ごろ、Hotwired Japanでも記事になった。
以前エントリーに書いたように筆者もX PRIZE CUPにいくつもりだ。
Hotwiredの記事中にあるアルマジロ・エアロスペース社やXCORエアロスペース社のデモはぜひとも見てみたい。特にXCORエアロスペース社の準軌道(サブオービタル)宇宙船「ズィーラス」は筆者が予約しているスペースアドベンチャーズ社で使用する可能性のある機体のひとつなので進み具合には興味がある。
ネット環境が許せば現地からもこのブログを更新したいと思っている。
さて、他に筆者が注目しているのは以下の箇所。
(X PRIZE財団の)ディアマンディス会長は10月3日、ニューヨークで開かれる記者会見において、新たなプロジェクトの発表を予定している──それは、ロケットを使ったレースだ。
レースの形式としてディアマンディス会長が想定しているのは、ちょうどNASCAR[米国のストックカーレース]のように、一流パイロットたちが――おそらくは大気圏の内と外の両方で――宇宙船のテスト飛行を行ない、純粋にスピードを競うといったものである可能性が高い。
予測の通りであれば、これはつまりX PRIZE CUPの競技カテゴリに「スピード」が追加されるということと思われる。このカテゴリの勝利に向けて開発される技術は、宇宙との往復というよりはむしろ地球上の移動手段の高速化に反映されていくのではないだろうか。
こうした目的を持った最先端の技術開発は、どの分野においても価値ある副産物を生むことが多い。「宇宙観光産業は短期的には儲からない」という意見は正しいかもしれないが、それでも進める意義はここにある。
同じような例として、記事中ではアルマジロ・エアロスペース社について軍事分野への技術利用で資金を回収できる可能性がかかれている。
副産物の事業化によるメリットは資金だけでなく、活用することによる技術の安定化にもある。
その結果は主目的にも反映されていくに違いない。
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