via 産総研:プレス・リリース 人間に近い外観と動作性能を備えたロボットの開発に成功
モノの「価値」は時に本人にしかわからないことがある。
趣味性の強いものは特にそうだ。
現在、高度100kmの宇宙空間に3~5分ほど滞在するサブオービタル宇宙旅行の平均価格は約2000万円。これを高いと見るか、安いと見るかはそれこそ人によるだろう。
「2000万円だったらもっと別なものを買う」
という人も多い。
では、2000万円で買えるモノにはほかにどういったモノがあるか、ざっと調べてみた。
■マンション
まず、思い浮かぶのは「マンションでも買う」という考え。ただ、2000万円という予算は少々厳しいので、2000万円台前半ということで探してみると「住宅情報ナビ」で、ちょうど「2000万円台以下の新築マンション」という特集が組まれていた。
早速チェックするがやはり東京23区は厳しい。東京都だと新宿から電車で50分ほどかかる八王子で3LDK(約70平方メートル)2200万円といったクラスになる。
■超高級オーディオ
値段があるような、ないような、それこそ素人目には価値のわかりにくいものに、いわゆる超高級オーディオ分野がある。「2000万円の超高級オーディオにiPodが挑戦 ”iPod VS JBL&Mark Levinson” – デジタル – 日経トレンディネット」の記事にあるようなシステムであれば、ケーブルだけで300万円もしてしまう代物なのだ。なぜこんなに高いのか。
記事では
「確かにケーブルだけで300万円近くするというのは、全く常軌を逸している。しかし、もはや庶民の常識など通用しないのがハイエンドオーディオの世界なのだ。とりあえずケーブルはそういうものだと思っておいていただきたい。」
via 2000万円の超高級オーディオにiPodが挑戦 ”iPod VS JBL&Mark Levinson” – デジタル – 日経トレンディネット
とあるが、どうにも思えない・・・。
これも音の体験を買うという意味で宇宙旅行の価値の感覚と近いものがあるのだろうか。
■クルマ
「2000万円超のスポーツカー「アルファ 8C コンペティツィオーネ」、日本を走る | ライフスタイル | エキサイトイズム」のように、わかりやすくメジャーな例といえばクルマだろう。
素の状態で2000万円というクルマも高級車であればザラにあるが、近年ではアニメや美少女ゲームキャラを描き込んだ、いわゆる「痛車」と呼ばれる文化もある。こうしたカスタマイズにかけた費用も含めると「痛車:2000万円の自動車、トラックも 150台が集結 千葉県で展示会(まんたんウェブ) – 毎日jp(毎日新聞)」のように2000万円のクルマはさらに増える。
車は「高いもの」という認識が一般的で、高級車のステータスも(一時期ほどではないとはいえ)高い。「体験」の価値というわけでもなく、マンションと並んで価値がわかりやすい例といえる。
だからこそ、「約2000万円のフェラーリが柱にぶつかってほぼ真っ二つに – GIGAZINE」という記事では「約2000万円のフェラーリ」という価値基準が問題なく受け入れられた結果、「車がもったいない」という印象を与えている。
○美少女(?)ロボット
先週、独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)知能システム研究部門ヒューマノイド研究グループが製作した「女性型ヒューマノイドロボット」が一部で話題になった。(本記事冒頭の画像参照)
「産総研、女性型ヒューマノイドロボット「HRP-4C」を発表~ファッションショーにも登場予定」によれば、素のボディで2000万円程度を目指したという。
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現在は家電などのモノにもスペックで示せる「技術的価値」が成熟してきた結果、それを使うことでどういった体験を得られるかという「感覚的価値」の重要性が増してきた。しかし、その価値は感覚的であるがゆえに、第三者に対して明確に説明することが難しくなっている。
宇宙旅行は、その最たるモノのひとつだ。高いと思う人にとっては「たった3分に2000万円」だし、安いと思う人は「たった2000万円でかけがえのない体験ができる」と考える。
あなたにとって、2000万円分の体験とはなんだろうか。
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