国際宇宙ステーションへの宇宙旅行も5人目の宇宙旅行者であるチャールズ・シモニー氏になると、当然ながらというべきか「史上5番目の宇宙旅行者」よりも「Word/Excelの開発者」や「カリスマ主婦マーサ・スチュワードの恋人」としての経歴(?)の方が注目されていた。シモニー氏は今回の宇宙旅行の体験を本にする意向だそうだが、売り上げを気にするのであれば、宇宙旅行のすばらしさよりもWordやExcelの開発エピソードやマーサ・スチュワート氏とのなれそめやあのインサイダー事件の真相などを盛り込んだほうが受けるかもしれない。
■ISSから帰還したシモニー氏、「宇宙旅行記」出版へ(CNN.co.jp)
そんな中、「宇宙旅行」としての世間の興味は次の段階に移りつつあるようだ。
■アブラモビッチ氏、月旅行を?(sorae.jp)
■月周遊宇宙観光旅行、英フットボールクラブ「チェルシー」のオーナーが参加の意向(technobahn)
■世界の富豪、続々と宇宙旅行へ 順番待ち12人 (FujiSankei Buisiness i.)
■Russian Space Agency ready to send Abramovich around Moon(RIA Novosti)
「次の段階」とはすなわち「月旅行」。これまでも現在売り出されている宇宙旅行の最上位グレードとして、半ば「存在することが価値」のような雰囲気もあったが、ここに来て具体的な話が複数出てきている。
そのひとりとして名前が挙がっているのが、英フットボールクラブ「チェルシー」のオーナーであるロマン・アブラモビッチ氏だ。ロシア連邦宇宙局は氏を月旅行に送り出す計画があるという。アブラモビッチ氏はロシア一の富豪としても知られ、その個人資産は187億ドル(2兆円以上)といわれている。
アブラモビッチ氏は月旅行に3億ドル(約360億円)出す用意があるというが、総資産額からすれば氏にとってはまったくもって現実的な金額であろうことがわかる。
フライトは2010年以降の予定。
ところで、現在売り出されている「月旅行」といえば、米スペース・アドベンチャーズ社が販売している、「月の裏側を回って帰って来る(着陸はしない)月周回旅行」だ。こちらの売り出し金額は1億ドル、と先ほどの3億ドルよりも大分お安い。では、3億ドルの方は「着陸」もできるのかといえば、先の記事によると「flying around the Moon(月の周りを飛行)」とあるので、(オプションの違いはあるにせよ、月旅行の意味としては)おそらくはほぼ同じと思われる。とすると、1億ドルの月周回旅行も実際はもう少し値上がるかもしれない。
実は国際宇宙ステーションへの宇宙旅行も、当初よく言われた2000万ドル(約24億円)から値上がり傾向にあり、今回のチャールズ・シモニー氏の宇宙旅行は2500万ドル(約30億円)であったといわれる。
#筆者が予約している高度100kmの宇宙への日帰り宇宙旅行も値上がるのではないかといわれている…。
それはそうと、スペース・アドベンチャーズ社の月周回旅行にも最初の申込者があったことが先日伝えられた。
こちらのフライトは(うまくいけば)2012年の予定。
■Space Adventures preparing for commercial flights to Moon(Interfax)
いずれにせよ、2010年代前半には最初の月旅行者が誕生しそうだが、こうなると気になるのは「誰が最初の月旅行者になるか」ということ。素直に考えればより多くの資金の用意があり、ロシア連邦宇宙局に直接コンタクトを取りやすそうなロシア一の富豪、ロマン・アブラモビッチ氏が有力そうだ。
ところが、ここで勘ぐりを全開にしてみると、ある人物の名前が可能性として浮かんでくる。
マイクロソフト共同創業者ビル・ゲイツ氏だ。
先ごろに「ビル・ゲイツ氏が宇宙旅行に興味を持っている」とのニュースが伝えられたが、その矢先の氏名不詳の「月周回旅行に最初の申込者」報道。そしてなにしろこちらは世界一の大富豪である。2008年に第一線を退く予定というのも宇宙旅行の準備を進めるのに好都合といえる。
■ビル・ゲイツも宇宙へ!?(宇宙観光企画)
今はまだすべてが勘ぐりの産物でしかないが、可能性としてはある…ような気がするのだけどどうでしょう…(弱気)
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