宇宙で「シルク・ドゥ・ソレイユ」が観られるのは何年後?


via Guy LalibertAc tells all about his mission in space

先日(2009年6月4日)、スペース・アドベンチャーズ社はモスクワで開催された記者会見で、エンターテイメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の創始者である(Guy Laliberte)が7人目の宇宙旅行者として、2009年9月30日に宇宙に向かうことを発表した。ギー・ラリベルテ氏が向かうのは高度400kmにある国際宇宙ステーション(ISS)。宇宙旅行費用は3000万ドル(約30億円)以上といわれる。

宇宙旅行はギー・ラリベルテ氏の50歳祝いと、シルク・ドゥ・ソレイユの結成25周年を記念したもの。実現すれば、ギー・ラリベルテ氏は最初のカナダ人宇宙旅行者であり、最初のアーティストになる。また、同氏は貧しい国に井戸と飲料水を提供する「ワン・ドロップ財団(ONE DROP Foundation)」を2007年に設立し、慈善活動も行っており、今回の宇宙飛行はこうした活動に注目を集めることも目的のひとつになっている。

今回の記者会見はネットで生中継されただけでなく、スペース・アドベンチャーズ社CEOのエリック・アンダーソン氏によってTwitterでも実況されたのも新しい試みといえる。

エリック・アンダーソン氏の実況によれば、ギー・ラリベルテ氏は今回の宇宙旅行を「すばらしい投資だと信じている。(宇宙旅行の体験によって、自分に)何百万ものインスピレーションがもたらされることを望んでいる」と、宇宙旅行の体験がアーティストとしての大きな飛躍の源になると考えている。

会見中、ギー・ラリベルテ氏はシルク・ドゥ・ソレイユと宇宙との関係にも触れ、「50年後にはシルク・ドゥ・ソレイユも宇宙に行くことになるだろう」と展望を語った。

これは宇宙観光産業にとっても喜ばしいことだ。筆者は宇宙旅行では実現から旅行者が一巡すると、ほどなくして「宇宙でなにをするのか」「なんのために宇宙に行くのか」ということが問い直されると考えている。

シルク・ドゥ・ソレイユは4都市9公演の常設公演劇場を持ち、各所で集客できるコンテンツとしての役割を十二分に果たしている。民間企業が宇宙に居住できる空間を作り出す試みは米ビゲロー・エアロスペース社の宇宙ホテルなどがあるが、建造物が中心であり、集客するためのソフトとして決定版といえるものはなかった。

宇宙の無重力(微小重力)状態で水を球にして遊んだり、空飛ぶ絨毯に乗ってみたりといった体験は初めては新鮮だが、おそらく2度目はない。しかし、もっと上質のエンターテイメントであったらリピーターの獲得も可能だ。地上でそれをやり続けているのがシルク・ドゥ・ソレイユである。

人間の身体能力を限界まで使ったシルク・ドゥ・ソレイユの「ヌーヴォー・シルク(新サーカス)」は「O(オー)」の水や「KA(カー)」の飛び出す舞台など、様々な場をステージにしてきた。しかし、ただひとつ、逃れられない制約があった。

それは重力だ。

重力という制約から解き放たれたシルク・ドゥ・ソレイユが宇宙でどんなショーを魅せてくれるのか。今から楽しみにしておきたい。

もう少し早く実現することを願いながら。

ONE DROP FOUNDATION

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