高度400kmの地球周回軌道を回っている国際宇宙ステーション(ISS)に日本人として初めて長期滞在する若田光一宇宙飛行士が「OLYMPUS デジタル一眼レフカメラ E-3」を持っていくのだそうだ。ISSの日本実験棟「きぼう」から地球などを撮影し、帰還後に写真展などで公開するという。
記事中では、NASAでは記録用カメラとして通常ニコン製のカメラを使用しており、別メーカーのカメラが宇宙に行くことは珍しいとしているが、過去を振り返ると実はそうでもない。
例えば、アポロ11号で初めて月面で使われたカメラは「The Hasselblad(ハッセルブラッド) 70mm EDC」という特別仕様のカメラだった。初めて宇宙に行った日本人であるTBS(当時)の秋山豊寛さんが持っていったのはニコンでもオリンパスでもなく、ミノルタの「α-8700i」である。
ちなみに民間開発の宇宙船で初めて宇宙に到達した「スペースシップ・ワン」の飛行時の映像を見ると、パイロットのブライアン・ビーニー氏が宇宙から自分のデジカメで写真を撮っていたようだが機種はちょっとわからなかった。知っている方がいたら教えてください。
ところで、筆者は一応宇宙旅行を予約しているが、一番よく聞かれるのは「宇宙に何を持っていきたい?」という質問だ。そして逆に聞いてみると、やはり宇宙から写真をとるためにカメラを持っていきたいという人が多い。今計画されている宇宙旅行の多くは道中の記念写真も込みになっているとはいえ、固定カメラからの映像では味気ない。宇宙の思い出を自分の手で写真に残す。当然の願いではないだろうか。
ただ、仕方がないことなのだろうが、今の宇宙旅行のバリエーションだと誰が撮っても同じような写真になってしまうのではないだろうか。おそらく前述のブライアン・ビーニー氏がスペースシップ・ワンから撮ったアングルが代表的なスタイルになるだろう。いくらいいカメラを持っていっても早々変わるとは思えない。
であれば私はあえて逆のカメラを持っていこうかとも思っている。
いわゆるトイカメラだ。しかもガラスレンズではなくプラスチックレンズの。私は2005年に民間宇宙機の祭典として初めて開催された「Countdown to X Prize Cup」にトイカメラの王様といわれる「HOLGA」を持っていった。デジカメとビデオカメラとの併用で忙しかったが、正方形で四隅が暗い独特の質感は宇宙機の未来的な雰囲気といいコントラストを作っていたように思う。
宇宙から、あえてのトイカメラ。私がやりたいことのひとつだ。
HOLGA STARTER KIT :ホルガ スターターキット
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