宇宙旅行関係の話題はテック系メディア「WIRED」でも米国発が多い印象です。
この記事も原文は米国版かと思ったら…、イタリア版でした。
宇宙旅行が少しずつ未時価になってきます。
少なくとも、安いマンションを買うか宇宙に行くか、というレベルには。
そうした中、健康面の問題もこれまでの国家プロジェクトとしての宇宙開発とは、別の立ち位置で健康面の問題が懸念されつつあります。
このため、『British Medical Journal』のクリスマス号には、「わたしたちは宇宙飛行ができるだろうか? 医師のための考察」という題名の記事が掲載された。この記事では、宇宙旅行のブームによって生じるかもしれない健康面の問題の見通しについて議論されている。
興味深い記事。
■Can I take a space flight? Considerations for doctors
Commercial investment is bringing space tourism closer to reality. Marlene Grenon and colleagues outline what doctors will need to know
登録が必要みたいですね…。
というわけで、元の日本語記事より。
論文の著者たちが述べているように、医師たちは将来、「宇宙飛行のための健康診断書」を依頼する患者たちを診察する可能性があるかもしれないからだ
これは既に求められていると思います。筆者も2005年にスペース・アドベンチャーズの宇宙旅行を予約した際、宇宙旅行の実施にあたって「医師の健康診断書」の提出を求められました。どこで診断してもらえるのかと思っていたのですが、基本的に普通の健康診断でよいとのことだったので、近所の病院に行く人も多いのでは。
今はどうか分かりませんが、実のところ、一瞬宇宙に行くくらいの加速度や無重量状態が体に及ぼすリスクが正確に分からないので、そうとしかいいようがないのかもしれません。念のためですが、これは100kmの宇宙空間に数分感だけ滞在するサブオービタル宇宙旅行の場合です。国際宇宙ステーションに滞在する宇宙旅行のメディカルチェックとは別物です。
余談ですが、筆者はレーシックを受けた人が宇宙に行っても大丈夫か、という懸念を持っていました。気圧の変化が薄くなった角膜に悪影響を及ぼさないか、という心配ですが、大丈夫だったようです。ちなみに、世界で初めてレーシックを受けて宇宙に行ったのは宇宙旅行者のリチャード・ギャリオット氏でした。同氏はウルティマの作者としても有名です。
こうした様々なリスクとその事例の管理について、記事では以下のように書いています。
このため論文の著者たちは、医師が宇宙医学の報告書にアクセスし、患者ごとにファイルを用意して、患者のもつ症状を、研究文献で報告されている事例と付き合わせることができるようにしておくことが適当だろうと示唆している。
おそらく同じ症状の人でも使用機体や宇宙旅行プランによってもリスクが異なってくるため、宇宙旅行に関するデータベースは健康管理の面からかなり重要になりそうです。
関しそうな本をご紹介。読みました。
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