高度400kmの地球周回軌道を回る国際宇宙ステーション(ISS)の中は、一般的には「無重力」と呼ばれる微小重力状態にある。こうした状態は人間の体に様々な変化をもたらすが、筋肉への影響もそのひとつだ。
無重力状態では筋肉に重力の負荷がかからないため、なにもしないでいるとどんどんやせ細ってしまう。もちろん、これをふせぐためにISS内には運動をするための器械もあるが、問題は効果のはかり方であるらしい。基準となるのは「体重」だ。
しかし、無重力状態では体重を計ることもままならない。現在の方法は冒頭の動画にあるものだが、結構大掛かりだ。
そこでなんとKinect(キネクト)を使って体重を測定する方法が研究されている。
■Getting fat in space? The Kinect might tattle on you
■Kinect weighs astronauts just by looking at them
キネクトはマイクロソフトの家庭用ゲーム機「XBOX360」の周辺機器でステレオカメラを搭載し、空間を奥行きも含む3Dで捉えることができる。ゲームではカメラの前で手足を動かしてゲームを操作する際などに使われる。
これを使って宇宙飛行士の全身を移すと大きさや奥行き情報を持った人体の3Dモデルができあがる。あとはこの3Dモデルから28,000のサンプルデータをもとに体重を推測するというものだ。約97%の精度で計ることができるという。
将来、宇宙旅行の道中では地球上とは全く異なる需要が生まれてくるだろう。想像がつきにくいことだからこそ、想像力を豊かに今から考えておきたい。
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