集英社の少年誌、週刊少年ジャンプで新連載「ST&RS – スターズ -」が開始された。
現在、宇宙飛行士をテーマにしたマンガといえば講談社のモーニングで連載中の「宇宙兄弟」が人気だが、青年誌連載でリアルな年齢の宇宙飛行士を描きやすい「宇宙兄弟」に対し、少年誌である週刊少年ジャンプで「ST&RS – スターズ -」は宇宙飛行士や宇宙飛行士を取り巻く環境をどのように「少年誌らしく」描いていくのか興味深く思っている。そのあたりがわかるのはもう少し先になりそうだ。
初回を読んだ感想としては、舞台となる2033年が現代とあまり変わらないイメージで描かれていたり、時々豆知識的なモノを自然に絡めてくることで少年誌らしい夢やファンタジーを描きつつも地に足がついている感触を持った。また、物語としても宇宙飛行士になることがゴールではなく、「約束の日」に「約束の地」で会うといういい意味で中二っぽい(当面の)ゴール設定がされていることによって、多くの人が興味を持って読み進めていけるだろう。ゴールが明確でありつつも、それがなにを意味するのか、明らかにされていないメッセージとはなにか、など謎も同時に示されている点も展開が楽しみだ。地球外の知的生命体との接触にどのように対応していくか、という現実にもリンクするテーマであるのもいいと思う。
あと、個人的に期待するのはこの作品によって宇宙や宇宙開発に興味を持つ子供たちが増えることだ。
これには2つの意味がある。
ひとつは宇宙飛行士に限らず、営利・非営利を問わず宇宙に関わる活動を志す人たちが増えるということ。
もうひとつはそうした人たちを支えるオーディエンスが増えることによって様々なマーケットが形成されていくこと。
そして、これらに共通するものとして、人々がより広く、高い視座からものごとを捉えられるようになるということがある。世界を知ることで日本を客観的に見ることができるように、宇宙を知ることで地球全体を客観的に実感として見ることができるようになるということだ。
こうした役割は1作品で担えるものではないが、はやぶさをテーマにした映画が複数本製作される動きなど、2009年の月着陸40周年のころから、宇宙をテーマにした作品が少しずつ注目され始めているような気がする。
「ST&RS -スターズ-」も引き続き、読者として楽しみにしていきたい。
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