via Space Exploration Technologies Corporation – Photo Gallery
NASAは民間宇宙開発の振興のための「Commercial Crew Development Program」と呼ばれる計画に5000万ドルを活用することを発表した。
NASA、商用宇宙サービス育成に5,000万ドルの資金提供計画 | エンタープライズ | マイコミジャーナル
上記マイコミジャーナルの記事は以下のロイターの記事が元になっているようだ。
NASA wants proposals for space taxis | Science | Reuters
この5000万ドル(約50億円)という金額。これは金額だけを見ると大きいが、こと宇宙に関してはいささか微妙だ。スペースX社のイーロン・マスク氏も指摘するように、5000万ドルという金額はスペースシャトル退役後にアメリカの宇宙飛行士を国際宇宙ステーションまで運ぶ手段として、ロシアのソユーズ宇宙船を使う際にアメリカがロシアに支払う、わずか1名分の金額でしかない。また、高度400kmまでを往復する宇宙船の製造に成功した者に賞金を支払うという「アメリカズ・スペース・プライズ」の賞金5000万ドルとも同じ額だ。しかも、「アメリカズ・スペース・プライズ」の主催企業は宇宙ホテルの建設を目指すビゲロー・エアロスペースという民間企業であり、そうした意味でも5000万ドルという金額は「もう一声!」といいたくなる。
米露両政府、シャトル退役後のソユーズ利用で正式契約 – Technobahn
Exclusive: Rules Set for $50 Million ‘America’s Space Prize’
とはいえ、こうした方向性は喜ばしいものだ。昨年後半からの不況の波は民間宇宙開発業界にも襲いかかり、もともとチャレンジングな要素の多い分野だけに資金集めに苦労している企業も多いと聞く。そうした中でも国が率先してポジティブな動きをしていくことで思惑通り景気が刺激される場面も出てくるだろう。もちろん、アメリカはスペースシャトル退役という差し迫った課題があるという背景もあるが。
さて、さきほどの「アメリカズ・スペース・プライズ」賞金レースの期限を見直してみたら2010年1月10日と、なんと残り半年を切っていた。現状からいっていくらなんでもこれは間に合いそうもないが、様々な動きをみていると民間企業が地球軌道まで人間を送り届け、連れて帰ることはなまじ遠いことではないように思える。
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