これは2007年に発行された「Destination Space: Making Science Fiction a Reality」(Kenny Kemp/著)の翻訳本。2007年4月に5人目の宇宙旅行者となったチャールズ・シモニー氏が「次の宇宙旅行者」として紹介されているように、これ以前の話が中心となっている。そのため、最新の状況と若干食い違うところが出てきてはいるが、20世紀半ばの米ソの宇宙開発レースから民間宇宙旅行の実現の機運まで、歴史を追いながら変遷を知ることができる。前述の2冊は現状の説明が主であったので、そうした宇宙旅行に向けての動きを時系列で追った本誌は貴重で興味深い。ただ、文章中心の内容となったことで宇宙旅行に興味のあるライトな層にはハードルが高いかもしれない。
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