「宇宙」が近くなる?FAIが宇宙との境界「カーマンライン」の引き下げ検討

「宇宙はどこから始まるのか」

これまでその答えは「高度100km」でしたが、それが変わるかもしれません。

スカイスポーツに関する国際組織でスカイスポーツの世界記録を管理している団体であるFAI(国際航空連盟)は宇宙との境界である高度100km、いわゆる「カーマン・ライン」の引き下げを検討しているそうです。

FAI Considers Lowering Boundary of Space

そしてこちらはFAIから2018年11月30日に出された「STATEMENT ABOUT THE KARMAN LINE(カーマン・ラインについての記述)」という記事。

STATEMENT ABOUT THE KARMAN LINE

この中でFAIは「Recently published analyses present a compelling scientific case for reduction in this altitude from 100km to 80km.(最近公表された分析は、この高度を100kmから80kmにする説得力のある科学的材料を提示している)」と述べ、今後国際宇宙航行連盟(IAF)とも接触し、提案に向けて検討を進めるとのことです。

さて、この変更によってどういった影響が出てくるか、というと実際にはさほど影響はなさそうに思えます。

しかし、そうした中で先の記事では、ヴァージン・ギャラクティックの宇宙機「スペースシップ・ツー」への影響を示唆しています。ヴァージン・ギャラクティックのスペースシップ・ツーは高度100kmに届かないとされていたことがありましたが、ロケットモーターメーカーを変更した現在もそうだとすれば、「宇宙」の定義が100k㎡から80k㎡に引き下げられることはヴァージン・ギャラクティックが顧客に「【宇宙】旅行」を提供できるかどうかにとって、非常に重要になるのです。そうした背景から、ヴァージン・グループの総帥リチャード・ブランソン氏の名前から高度80kmの境界線を「ブランソン・ライン」と呼ぶ人もいます。

とはいえ、現在も米空軍は80kmを宇宙の境界線としています。また、高度30kmを超えれば、空は黒く、宇宙っぽくなってきます。それに、そもそも宇宙規模で考えれたら、たった20kmの違いにさほど意味はないのかもしれませんね。

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